夜勤で年収アップ

看護職の離職の理由の一つに、勤務のキツさに対して給与が少ない、というものがあります。
一般から見れば看護師の給与というのは平均年収で女性470万、男性462万となり(国税庁:民間給与の実態調査結果 平成24年)、
女性の平均年収から考えると高い方に位置づけられるかと思います。
しかし、その実態(夜勤や立ちっぱなしの業務、過度の緊張など)から考えると、看護師からすれば「これでは割が合わない」と思うのも人情かもしれません。

看護師不足の中、やりがいもあり、就職が容易である看護職は、条件さえ整えばこれほどよい職業はないのかもしれません。
それには常に看護師自身のスキルアップが必要となり、ひいてはそれがキャリアアップになってくるのです。
高給与をえれば仕事に対し、モチベーションも上昇しますが、高給与を得るためにはそれなりの工夫が必要となってきます。

【夜勤で高給与】
入院施設がある病院では24時間患者さんの看護を行う必要がありますので、当然夜勤が発生します。夜勤の形態が2交代制か3交代制か、また、夜勤手当の金額、夜勤の勤務人数、夜勤で行う業務内容、介護士の有無などでその疲労度も変わってきます。これらは病院独自のものなので、それぞれの病院で違ってきます。労働基準法では看護師の夜勤についても定めていますが、これは一般と変わらず「1日8時間」というものです。もし、2交代制の夜勤の場合、勤務時間は16時間になりますが、この場合は「変形労働時間制」が適用され、労働時間が週40時間以内であれば、1日8時間を超えてもかまわないと規定されているのです。
さて、この激務である夜勤に対する手当ですが、これも各病院によってまちまちです。日本看護協会の「2010年 病院における看護職員需給状況調査」によると、3交代制準夜勤手当は平均4077円、3交代制深夜勤手当は平均5033円、2交代制夜勤手当は平均10745円となっています。けれども、これはあくまでも平均で、実際には10倍の差がでる場合もあるのです。同じ条件ならば、夜勤手当の高い病院で働きたいものです。

【夜勤専従】
高給与で働くため、夜勤専従を選ぶ人もいます。転職サイトやエージェントでも夜勤専従の病院を紹介しているところがたくさんあります。夜勤専従の場合は「夜勤手当」や「深夜勤手当」といった手当が通常の人よりも高額に設定されているのです。施設や、病院の規模、業務内容にもよりますが、1日の夜勤で15000円~20000円を超えているところもあります。通常勤務での夜勤手当が4000円~5000円とすると3倍から4倍の差があります。その分忙しいので変わらないという声もありますが、とにかく手当は高いのです。
夜勤専従は一般勤務に比べて仕事時間の変動がないため、体調の管理がしやすいという利点があります。また、夜勤自体も月におおよそ9回程度ですので、一般勤務よりも少ない時間で高い給与を得ることができます。

誰もが望む高給与ですが「高給与=疲労度高」というわけなので転職ナースは減ることはありません。